2007年03月30日

看板に偽りあり。

本日の奥飛騨は曇り時々小雨……。
暦はあっという間に月末を迎え
例年のように居候のツバメがやってきました。

私と言えば相変わらず暇を持てあましており
暇つぶしに机の中を整理していたら
ナント有名リゾートホテルグループの
1名だけの無料宿泊券を発見致しました。

有効期限は今月いっぱい………。
一緒に連れて行く彼女など居るわけもなく
もったいなかったのでお袋を伴って
奥飛騨から一番近いひるがの高原にある
「Sホテル」まで1泊2日の小旅行に出かけてきました。

このホテルの一番高い夕食のプランの売り言葉が
「A5等級の厳選されたフィレ(ヒレ)のステーキを……」
となっていました。

せっかくの旅行だから少々高くても美味しい肉を食べたいと
このプランを目的に今回は旅行を決めたのです。
ところが残念なことにこのプランの利用は
宿泊日の最低3日前までに要申込みとなっていました。

私が旅行を決めたのが宿泊日前日の27日です。
そこでもしかしたらと電話で問い合わせてみたところ
お袋の宿泊代が1人分14.800円(1泊2日)と
私の夕食グレードアップ分の追加代金(3.000円)を支払えば
このプランを利用しての宿泊が可能とのことでした。

話が長くなりそうなので少しはしょって
いざ夕食の場面になって
最後のメインデッシュ「フィレステーキ」の登場の場面です。

このホテルの料理長らしき人物がイソイソと
「本日の夕食のステーキ肉です。」と
私たちが食べるであろう肉をわざわざ
私たちの座わっている席に見せに来ました。
その場で好みの焼き加減を聞いたので
「ミディアムレアー」でとお願いしたのを覚えています。

その肉を見た時に皿の上のよく見える場所には
確かに本物のフィレ肉が乗っていたのですが
その下の部分の肉がどう見ても私には
フィレ肉には見えませんでした。

幾ら肉を見せると言っても実際にはほんのわずかな時間です。
キット私の見間違いだろうと思っていたのです。
少し離れた場所でその料理長らしき人物が
その肉を焼いて係の女性がその皿を運んできました。

一口大に切って皿に盛られたステーキを確認すると
フィレ肉だと一目で分かる肉が7切れ
どう見てもフィレ肉でない思われる肉が3切れ乗っていました。

いざこれらの肉を食べてみるとフィレ肉は
やはり柔らかくて口の中でとろける食感ですが
どこかの切れ端らしいお肉は固くてなかなか
かみ切れませんでした。

私もその場で固くてかみ切れなかったお肉を残して
料理長を呼んで文句を言おうと思ったのですが
せっかく作ってくれた料理だろうと
全て平らげてしまいました。

それでもやはり私の顔が不満気だったのが
分かったのでしょうか
食事の後で料理長が「何かご不満でも…?」と聞いてきたので

私が奥飛騨で小さな宿を経営していること
飛騨牛のヒレ肉にはかなりうるさいこと
今回の夕食時のお肉の3割の部分は
どうしても最高級と言われている
A5等級のヒレ肉とは思われないことを言いました。

具体的には「今回は無理に3日前までに要予約となっていたのを
前日に予約をした私にも少しばかりの落ち度があるかも知れないが
他のお客さまにはこのような変な部位の肉を混ぜてはいけません。
今後は気を付けてください。」とお願いしたのです。

そうしたらこの料理長と言われている人物曰く
「今回は私の落ち度だから幾ばくかのお金を
授業料として包むから許して欲しい。」というのです。
この料理長らしき人物は私をゆすりたかりの人間か
なにか難癖を付けて料金を値切る人物だと思ったのでしょうか。

この時点で私の気持ちはすっかり冷え切ってしまいました。
アレコレという気力さえ消え失せてしまったのです。
そもそもこのホテルを選択した私が間違っていたのです。
同じリゾートホテルグループの中でも
ランクの低いこのホテルに泊まるべきではなかったのです。

どういう訳か翌朝チェックアウト時の請求額に
私の料理の追加分(3.000円)が故意かケアレスミスなのか
分かりませんが記載されていませんでした。
きっと料理長が手を回して暗に値を引いたのか知りませんが
私は乞食やたかりではありませんから
しっかり訂正をお願いして正規のお金を支払ってきました。

「厳選されたA5等級(最高級)のフィレ肉……」
あんなおかしな部分が混ざっているステーキなら
どう考えても宿で使用しているランクの少し落ちる
A4等級のヒレ肉の方が柔らかくて美味なのです。

これぞまさに看板に偽りありです。
おそらく私は今後2度とこのホテルには泊まらないと思います。

追伸
1泊2食税込みの14.800円でA5等級の
ヒレ肉のステーキを100グラム以上使用するこのプラン。

ちなみにこのお肉だけでもおよそ1500円/100グラムです。
今回の夕食代が一人7.000円と記載してありました。
どう考えても私にはこの宿泊代でこのランクの
お肉を無理にでも付けようとするのか理解に苦しみます。
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Posted by 奥飛騨吟遊詩人 at 23:28│Comments(3)亭主のあーだ、こーだ。
この記事へのコメント
こんばんわ       残念ながら大部分の日本人は、変わってしまったのです。わびさびとかたてまえでは言って居ますが、自分だけが得をすれば良いって風潮があります、消費する側で反逆しましょうかネ
Posted by frog eyes at 2007年03月31日 23:36
きっとこのホテルの自称料理長という人物は、「変な客に因縁を付けられた。」と言い回っているのでしょうか?。私は同じ料理人として「良心」を期待するだけです。
Posted by ぐうたら亭主 at 2007年04月01日 23:55
おはようございます。

多分お客様の笑顔が見えなく成っていたんでしょうね。
上からの指示だとか、仕入れの業者さんとのしがらみだとか、
日々の仕事を回すのに、必死だったんでしょう。

良心が残っていたから、不満顔に反応したのでは無いでしょうかね。

ある
お坊様がこう仰って見えました

「人間の本質は悪人である、しか自己の良心に予って善人になれる」と

(良心)難しいですが、流されないよう努力しようと、誓いを新たにおもいました。          感謝、合掌
Posted by frog eyes at 2007年04月02日 08:46
 
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